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ロシア古都・ノヴゴロドの聖ソフィア聖堂

一度、ロシアへ行ってみたい!
教会建築に関して知りたい!

そんなあなたに、今回はロシア古都・ノヴゴロドの「聖ソフィア聖堂」へ
お連れします♪


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ノヴゴロドは、862年にリューリクによって建設されたロシア古都のひとつで、
「ヴァリャーグからギリシアへの道」と呼ばれるように、バルト海と黒海、
地中海を結ぶ交易ルートに位置する、キエフ=ル-シ時代の要衝都市です。


市街はヴォルホフ川を挟み、商業区と聖堂区に分けられ、この聖堂区に
半径約2kmにわたる赤煉瓦のクレムリンに囲まれた聖ソフィア聖堂
Софийский собор(1045-1052年)があります。


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聖ソフィア聖堂は、リューリク朝ヤロスラフ賢公の長子ウラジーミル
(在位1020-1052年)の命により、コンスタンティノープルやキエフの
聖ソフィア聖堂を模して建立された、ロシア最古のビザンティン様式石造建築です。


988年のキリスト教受容とともに始まった石造建築は、キエフの十分の一税教会堂Десятинная церковьをはじめとして、ノヴゴロド、ウラジーミル、
スズダリの地へと普及していきます。
キエフの聖ソフィア聖堂がビザンツ帝国のギリシア人石工や画工を招いて
建設されたのに対し、ノヴゴロドの聖ソフィア聖堂はギリシア人から建築技術を
学んだキエフの石工らによって設計、建設されました。


「神の叡智」に捧げられたこの聖堂は、5つのクーポラを戴くギリシア十字式
プランで、東側に3つのアプシスを備えた5廊式の12列柱廊で構成されています。
ヴォールトや入口は煉瓦造ですが、ピアは切石で築かれています。
12世紀にはギャラリーへと続く螺旋階段塔が聖堂南西側に増築され、
また聖堂南東側には、ボヤールや高位聖職者の墓所があります。

内部装飾は、祭礼図像のフレスコ画で覆われており、大半が12世紀までに
制作されたものです。代表的なフレスコ画には、南回廊柱面にある
「聖コンスタンティヌスと聖ヘレナ」(11世紀後半)、中央クーポラのドラムにある
「預言者ソロモン」(1109年)、螺旋階段塔の壁面にある「使徒ペテロ」(1114年)
などがあります。
天空を象徴する中央クーポラには「キリスト・パントクラトール」が描かれて
いましたが、大半が剥落しています。


西側外壁の上段には「最後の晩餐」(1108年)のフレスコ画が描かれており

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その下段には「コルスニ・ドア」Корсунские врата(1153年)と
呼ばれるブロンズ扉があります。


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これは、ドイツのマグデブルク大司教ヴィクマン(在任1152-1196年)が
司教アレクサンドル(在任1129-1156年)に寄贈したロマネスク彫刻の
マグデブルク製扉で、スウェーデンのシグトゥーナ要塞から1187年に
運ばれてきたものです。

扉は26枚のパネルで区切られており、各パネルには祭礼図像のレリーフが
刻まれています。その配置は聖書の諸場面をモチーフにした類型的な配列と
なっており、左扉が聖母マリアの生涯やキリストの幼年時代、公生涯に集中
しているのに対し、右扉はキリストの受難、復活などを主題とした図像パネルが
配列されていることから、キリストの生涯の始めから終わりまでを一巡した扉と
なっています。

このように、この聖堂は構造がビザンティン様式でありますが、ロシア古来の
様式やロマネスク様式の影響も各所に見られ、また、伝統にとらわれない自由で
ローカルな気風がフレスコ画やアーチ装飾などに反映されていることから、
ノヴゴロド独自の聖堂であると言えます。


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キリスト教まめ知識コーナー


☆ソロモン・・・イスラエル王ダビデの息子。
         「ソロモンの知恵」という言葉もある通り、非常に知恵に富んだ王
         として有名。ソロモン王のもとで古代イスラエルは繁栄を極めた。


☆ペテロ・・・イエスの12弟子の一人。
        イエスが十字架にかけられる時は恐れて3度もイエスを否定したが
        「岩」という意味の名の通りイエスの復活後、キリスト教の礎を築き
        上げた。

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